富士・箱根 ~日本霊界風土記~(Vol.3)

熱海の霊的意義

富士の話から説き起こして、ようやく箱根に辿り着いたという感じですが、箱根の霊的意義を真に理解していただくためには、その前段階として富士を説明しなければなりません。

富士の説明が少しばかり長くなったのはそのためで、そのあたりの事情をご了承ください。

さて、富士神界には芙蓉仙人という方がいらっしゃいます。

大本教の出口王仁三郎さんも、この富士の芙蓉仙人の導きを受けながら、あのような霊的プロセスを経て仕組の一つの時代を画したわけで、富士から広めてゆく、布教していった人の多くは芙蓉仙人との深い縁があります。富士神界は、つまり時代の仕織人を通して、霊的に活発に神様の教え、天教を広めているのです。

この富士神界が噴き出すところが伊豆半島の熱海。言霊でいうと熱海の「あ」は、天とか開くという意味。

「た」は高天原の「た」で、高いとか貴い。「み」は、開いたものを高く、貴く実らせる、身につける。すなわち熱海は三の働き… 前の講義で「一は二を生じ、二は三を生じ、三はすべてを生ず」という話をしましたが、その三の働きがあるわけです。

熱海に世界救世教の聖地があるのもそういう理由です。とはいっても、ただ熱海が神様のおられる場所だからというだけで、熱海の神霊的意義について明確に説明しているわけではありません。

これからお話しすることは、どの宗教団体もいまだご存じないことですが、ワールドメイトの会員の皆さまにはビシッと明確に理解しておいていただきたい。

「ワールドメイトには神様の一厘が降ろされている」と申しておりますが「一厘が降ろされている」といっているだけでは意味がありません。

やはり、一厘が降ろされているだけの内容と説明が随所になければ会員の皆さんも納得できないでしょうし、会員になっている意義を見出せないのではないかと思います。

ワールドメイトが求める質とは?

どこの宗教団体でも「自分のところが最高だ」といっています。「私のところは五番目です」というところはありません。

そんなことをいったら、「だったら四番目のところへ行こう。三番目のところへ行こう。いや、それよりも一番目のところへ行こう」ということになってしまうので、どこでも「自分のところが一番」といっています。

しかしまあ、どこが一番だろうと二番だろうと、そんなのは問題ではありません。

「自分のところは一番だ」というなら、それらしく役割を果たしていればいいわけで、順番なんか最初から関係ないです。

それに関して私たちワールドメイトは、当初から天界の教えを広めていこう、数より質でいこうと決めているので、無理に拡大したり拡張しようとはしていません。

ある程度の宣伝はいりますが、量よりは質を大切にしようと考えてやってきたし、いまもその姿勢に変わりはありません。

ところで、私たちが大切にしたいと考えている質には二種類あります。前世に徳を積み、今世、地位も名誉も財もあり、そしてさらに神を求めつづけている人がいます。

ワールドメイトの会員さんのなかにも、そういう人がいっぱいいます。

それから、もう一つの質があります。私が植松先生のところへ来たときには、もちろん地位も名誉も財産も何もありませんでした。

神様のお役に立ちたいんだ、神様の仕組に役立つんだ、世の中のために生きるんだという志と、それまでに培ってきたある程度の霊的な基礎知識、その二つがあっただけです。

十五歳から二十五歳で植松先生のところに来るまでの十年間、私は一人で基礎修業に励み、自らを錬磨していたわけで、突発的に神がかって今の自分になったわけではありません。

神霊家としての第一歩は十五歳のときにあったのです。

その十五のころに、なぜ一生神様のために生きるんだと決心したのかといいますと、五歳のころからの家庭環境がそうさせたのであり、切に神を求めざるを得なかった家庭環境だったのです。

これについては別の機会にお話ししたいと思いますが、仕込みの期間が五歳から十五歳までの十年間あって、十五のころには神様のために生きるんだと決心せざるを得ないように追い込まれておりました。

そして、二十五歳で植松先生のところに来るまでの十年間の基礎修業があったわけで、トータルすればもう二十年以上、神様の道を求めつづけている計算になります。(編集部注 昭和六十二年当時)

私の神霊読書術

話が突然変わりますが、先日、チョイさんという韓国の人が訪ねていらっしゃいました。日本の早稲田大学を卒業されていて、のちほどお話しする箱根権現様にそっくりな顔をしています。

今は韓国で大きな石油会社を経営していて、韓国の新聞に出たり教科書にも出ている有名な方なのですが、どういうわけか私の本を五冊読まれていて、「ぜひ一目、先生にお目にかかりたい」ということでいらっしゃったそうです。

たまたま英語の勉強会をやっているときで、その場にはアメリカの超能力者のリアさんもいました。このリアさん、「深見先生と協調してやってゆくんだ」といって、私から神霊界に関する知識を仕入れては、それをアメリカに持って帰って、向こうで頑張っています。

ヒーリングとかメッセージをやっている方で、そこまでなるのに三十年かかったらしいのですが、「私のチャクラはもう開いている」とおっしゃる。

私が見たところ、開いているには開いているものの、それほど深く開いてないので、「一分でチャクラを開けてあげましょう」といって開けたところ、「すごいエネルギーだ」なんていって驚いていました。

そのリアさんと英語でやりとりをしているときにチョイさんがやってきたわけですけれど、チョイさんは私のことを六十歳くらいの人ではないかと思っていたらしいです。

私の本にはひげ老人の写真が載っていたから、あれかと思ったらしく、一瞬、面食らったような表情をされておりました。

それからしばらく霊的な話をしていたのですが、最後になってチョイさん、一つだけ疑問がある、と切り出してきました。

「深見先生、あなたの知識はどのようにして得られたのですか」

「……勉強しただけですけれど」

「いや、私も韓国では読書家として有名なんです。その私がわからなかったことが五冊の本にスラスラ書いてあるから、非常にびっくりしましてね。英語もペラペラですし、年もお若い。

だから、どうやってそんなに知識を得たんだ、と。それがすごく疑問だったんですよ」

私もどうやって答えていいものか、答えに窮してしまいましたが、私の場合、一言でいうと、あまり解説本などは読まず、原文を見ることにしています。

儒教を勉強するのなら四書五経の原典を見るし、キリスト教を研究 7 するんだったらバイブル、老荘思想なら「老子」「荘子」日本の神道だったら平田篤胤の著作を見る。

そうやって原典に当たっていると、著者の霊が降りてきて、教えてくれるのです。

たとえば、日蓮宗を勉強する場合、『開目鈔」「観心本尊鈔』『御遺「対」など、文献がいろいろとありますが、あまりたくさんに見すぎたらポイントがわからなくなってしまいます。

そのとき、日蓮上人さんに直接尋ねると、「ここだ。ここが私のいいたかったところだ」

「あ、なるほど」

そうやって著者の霊から一厘の叡智をいただけば、何十年もかかるところが五~六分で理解できます。あとは読んで味わいながら、ポイントを広く深くして自分なりに咀嚼していく。そういう勉強を楽しんでいるわけです。

そうやって読んだ本はすでに四千冊以上にはなるでしょう。その分、いろいろな楽しみごとを捨てて、普通の人が楽しんでいる事柄を捨てているから、これだけの勉強ができるのだと思います。

白山と富士の関係

話が横道にそれましたが、箱根というのは神様が出ていらっしゃるエリア、すなわち神域であります。より詳しくいえば、神様の箱庭の根になっているのが箱根です。

日本列島の地図を見ると、ちょうど本州の中心に富士があります。そのすぐ脇に位置している箱根は、富士神界から出ているエデンの園のような箱庭なのです。

この世の仕組とかいろいろなものが富士神界から出てきますが、箱根はその富士神界の根になっている。富士は、神界からの幽玄微妙な世界の噴き出し口になっていて、箱根は箱庭の根になっているわけです。

そのように、富士神界からは現実界に向けてさまざまなものが出てくるのですが、富士よりもっと次元の高いのが石川県の白山。

富士山よりももっと清らかで、もっと霊力があるのが白山です。白山は白だから一白水星の一であり、原点です。これから始まって富士は二。一は白山です。しかし、それぞれ働きが違います。

これは、お酒を飲んでいるとわかります。地方によってそれぞれ地酒がありますね。岩手県には「七福神」、石川県の能登には「天狗舞」、同じ石川県でも加賀のほうになると白山の近くの「菊姫」というのがあります。

箱根の話と関係ないように思われるかもしれませんが、お米の中に酒米という種類があります。これは、お酒をつくるときに使われるお米です。

その酒米の五割以上を削り捨てて、残った本当にいい部分でつくったお酒を大吟醸といいます。

吟醸酒というのは、最初巫女さんのような人がお米を口でかんで、その唾液でつくったといわれていますが、まあ、詳しい説明は別の機会に譲るとして、有名な地酒としては「天狗舞」や「菊姫」のほかに広島県の幻の酒「誠鏡」、それから熊本県の「香露」などがありますね。

そのように、地方によってそれぞれの地酒があるわけです。

こういう話をすると、よほどの酒好きかと誤解されてしまうかもしれません。しかし私は、お酒に興味を持っているだけで、ほとんど飲みません。いまでも珍しいお酒なら少し飲みますけれど……。

そうやっていろいろ試飲してみて、一番おいしいと思ったのが白山の水でつくった「菊姫大吟醸」。これが最高でした。なぜかというと、

「菊姫大吟醸」は味が七色に変化するからです。

熊本県の「香露」をつくっている蔵元が、リンゴの味というか果物の味が出る酵素を発見して、それから地酒に果物の味が出てくるような技法が加わったんです。その典型が岩手県の地酒「七福神」で、これはリンゴの味がします。

しかし、「菊姫大吟醸」を飲んだら、味が七色に変化するんです。

最初に一口飲んだときには、あまりにサッパリしているものだから、「ん?」という感じなのですが、舌の上でころがすと「天狗舞」のようであり、「七福神」のようであり、「誠鏡」のようであり、「香露」のようであり、「鬼ころし」のようであり、「越の寒梅大吟醸」のようでもあり……というふうに七色に変化するんです。

これはなぜかと考えたら、やはり白山の水を使っているからではないでしょうか。気学でいうと一白水星の北は坎の気、すなわち物事の始まりを意味します。

真っ白なところに、赤の光を映せば赤になります。緑の光を映せば緑になります。しかし、すべての色をミックスすると白になります。だから、白は始まりであり、終わりなのです。これが白山であり、一なのです。

箱根神仙界のいわれ

白山が一であるのに対して、富士山は再三述べてきたように二で、「ふ」の働きがあります。その富士神界から現実界へ出てくる神域が箱根なのです。

現実界に即応した「ふ」の働きがいろんな形で出てくる。箱根は、都が東京に移ってから、関東の神仕組の中心になっています。実際、箱根の神様は武蔵国の一之宮である氷川様の三・五倍くらいの霊力があります。

明治維新後、明治天皇様が京都から皇居を東京に移されたとき、大宮の氷川神社に明治維新と新政府発足のご報告をすがすがしく申し上げて、それから明治政府が出発したのですが、明治天皇様が参拝されたからといって、一之宮の神力が最も強いというわけではありません。

最もパワーがあり、霊力があり、腕ききで神霊的な面で強い働きを持っているのは、やはり箱根神社、箱根権現であります。

だいたい氷川神社の三・五倍くらいの強さです。なぜ三・五倍といえるのか。適当に私がいっているわけではありません。

箱根の神様にお尋ねしたら「そうだ」とおっしゃっていましたし、氷川の神様に「箱根の神様がそうおっしゃっていますが、本当ですか」と尋ねたら、やはり「そうだ……」と、心持ち肩を落としながらいっておられました。

箱根神社のご祭神は、木花開耶姫と瓊瓊杵尊様、それから木花開耶姫が産屋に火をつけながら産んだ彦火火出見尊。

これは山幸彦となられた方。このご三神を箱根権現と申し上げます。

奥宮に祀られているのは、天之御中主神、高御産巣日神、神産巣日神の造化三神。すなわち、「古事記」でいうところの天地創造の神であります。

「日本書紀」では国常立之尊といわれていますが、「古事記」で天地創造の神とされている神様が祀られているのが箱根神社の奥宮なのです。

箱根神社は、社格としては一之宮ではないものの、非常に大きな霊力があります。それに、天狗、龍神など正神界のご眷属がたくさんいらっしゃいます。

ここに、聖仙人という方が現れたのが二千数百年前。つまり、紀元前のことです。それだけ箱根は古いのです。

神武天皇がお建てになったとか、垂仁天皇とか開化天皇がお建てになったと伝えられる古い神社がありますが、それより前。箱根は紀元前から続く古い神域なのであって、ここには箱根神仙界があります。

一般に仙界という場合は四次元を指しますが、仙界のアタマに神が付いて神仙界になると、神様の位に達している仙人がいる世界です。この「神」が付くか否かで大きな違いがあります。

神仙界は、愛と真心をもって神様の仕組のために生きている人がいる世界です。対して仙界というのは、世の中で苦しむのは嫌だ、なるべく苦しみのない楽な世界で生きていたいという人がいる世界なのです。

たしかに仙界には苦しみがありません。その分、ほのぼのと気持ちがいいかもしれませんが、その代わり愛と歓喜がありません。

しかも、苦しみがないから、一度仙界に入ったらなかなか脱却できません。それくらいなら、地獄界に落ちたほうがまだいいです。地獄界なら、苦しんだ分改心して挽回しようと努力しますから。

熊野の時代から箱根の時代へ

いずれにしても、神仙界と仙界とはまったく違うわけで、箱根には箱根神仙界があり、今回、箱根でセミナーを開いたのは、そういう霊的意味を考えたうえでのことなのです。

ところで、日本の山岳信仰の起こりはいつからかというと、からでありまして、場所は吉野の大峰山。天川弁財天が少しブームになったことがありますが、天川弁財天のある大峰山を役小角が開いたのが山岳信仰の始まりです。

大海人皇子も吉野に行っています。大海人皇子、「天皇になるのは嫌だ」といっていたのですが、役小角に「あなたには使命がある」といわれてから頑張って天武天皇になりました。

その天武天皇が編纂されたのが「古事記」ですが、「古事記」は非常に霊的な書物ですから、役小角の助言があって編纂されたのではないか。そう考えて間違いないと思います。

山岳信仰の舞台は、吉野から次にどこへ移ったかというと熊野大社です。「蟻の熊野詣」といって、多くの人が先を争うように熊野に詣でたことは皆さんもご存じだと思いますが、それほど熊野は霊験あらたかだったわけです。

しかし、熊野信仰もしばらくすると下火になり、人々の信仰対象は伊勢神宮に移っていきました。伊勢参りのための講ができたりして、老いも若きも伊勢に詣でました。つまり、大峰山から始まった山岳信仰も里に降りてきたわけです。

このように、時の神である木花開耶姫の働きによって、その時々のスポットの当たる場所が違うわけですが、京から江戸に遷都されてからは、日本国家の仕組の中心が関東になったことで、熊野の神様、国常立之大神様が箱根の霊域・神域に移られました。

もとは同じ神様ですけれど、同体異名で名前が違うのです。

ところで、大本教の祭式のベースになっているのは国祖国常立之大神様で、出口王仁三郎の行っていた神道は、九鬼神道をベースにしておりました。

その大本教から生長の家、世界救世教が生まれ、世界救世教か真光文明教団が出て、また、「ひふみ神示」の岡本天明さんをはじめ、いろいろな人々が出てきました。

そのように、戦後の新興宗教のほとんどが大本教系か、さもなければ日蓮宗系統であって、戦後、最もパワフルに活動しているのは、この二つの系統のどちらかと考えていいでしょう。

大本教のベースは九鬼神道。それに出口王仁三郎の神秘体験を加味して、非常によく勉強しています。

真言密教から四書五経、老荘思想、キリスト教と、古今東西のあらゆるものを研究しています。その面では突出していて、大本教ほど学識の高い宗教団体は他に例を見ないといっても過言ではありません。

というより、ほかの宗教団体があまりにも勉強が足りない。それでいて、「自分のところは最高の教えです!」といっては胸を張っているのですが、その内実はといえば、「論語」や「易経」に書かれているものと大差がありません。

それらを勉強していないものだから、「自分たちの教えは最高だ、すごい教えだ」と信じて疑わないわけです。要するに、知らないだけなのです。

「私どもの教祖はこんな素晴らしい教えを説いています」「ああ、それは「易経」のここに書かれていますよ」

「先日、教会でこんなすごい教えを聞いたんですよ」

「それは、お釈迦様がいった言葉です」

新興宗教でいう「すごい教え」のルーツは、だいたいが四書五経や仏典やバイブルにあり、それにちょっとアレンジを加えているにすぎません。

あるいは、教祖自身の体験が味付けされている程度で、いわれるような「すごい教え」はほとんどありません。

いにしえの学問の中に教義、経論の源流があるわけで、それを勉強すれば、その人たち以上に他人に教えられるようになれます。

まあ、それはどうでもいいことですが、江戸に幕府が移るにともなって、国常立之大神様が熊野から箱根に移って仕組をしています。

国常立之大神様は地球をミロクの世(編集部注ミロクとは、もとは仏教用語で、ここではやがて来る理想的な世界のこと)にするための、いうなれば現場監督です。

対して、地球をどのようにミロクの世にしていくかという仕組、いわば設計図の作成は北極神界で行われ、それに基づいて、天照大御神の太陽系で資材の購入と役員人事が決定される。

その後、国会で語られ、最終的に議決されたら建設省(編集部注現在は国土交通省)など国の機関が動いて、具体的に運営されていきます。

これについては拙著「強運」にも書きましたが、北極神界でプロットが作成され、太陽神界で具体化へ向けた骨子ができるわけです。

そして、この「地球ミロク化案」は衆議院本会議に諮られるのですが、ここにはいろいろな出身の神様が集まっていて、それらの神々様によって議決されます。

議決されたら、県知事に相当するそれぞれの一之宮様のところに通達され、施行される。その際には、建設省をはじめ外務省、厚生労働省など、行政全体が一つになって地球のミロク化に向けて取り組んでいきます。

そして、これが計画どおりうまくいっているかどうかを、現場に立って監督するのが地球神界の国常立之神様なのです。

一方、人々の心の教えを担当するのが月の神霊界。月読命というのはうまくいっているのかどうなのかと、ツキを読んでいる。

月には「ツキ固めていく」とかいろいろな意味がありますが、お月様は女性の月のモノと関係しているし、内臓機能はすべて肉月、肝臓の肝も腸も胃も全部、月が付きます。つまり、内臓はお月様に影響されているわけです。

地球神界の現場監督さんが国常立之尊様。太陽神界の主宰神として、いわば総理大臣のような役割を果たしているのが天照大御神様、北極神界では太乙老人。

この奥にあるのが、銀河系の源郷である白山神界。非常に繊細微妙で玄々とした神界が北極神界の奥にあるわけでして、こここで仕組の元となって動いていらっしゃるのが白山菊理姫様です。

この奥にもいろんな神界があるんです。日本の神霊界というのは縦長だから、どこまでも奥深いんです。

不思議なことに、天皇様の「皇」という字は「白い王」と書きます。

皇室には非常に高度な神霊界が降りているわけです。ですから、皇室を大切にしなければならないのですが、皇室は始まりであり終わりであって、働きがありません。

実務的なことは議会とか総理とか力のある者がやればいいことであって、国民の心の中心である天皇様は、国が動乱に陥って収拾がつかなくなったときにお出ましになります。

日本の歴史のへそみたいな存在で、天皇制を理解しようする場合、神霊界の構造から見ていかないと本当の意味はわからないでしょう。

天皇様は、日本神霊界の大宮司といった存在である、といえばわかりやすいかもしれません。神社のシステムでも、氏子総代などが顔を揃える理事会が運営方針を決めるのであって、宮司さんが何でもかんでも決めるわけではありません。

小さい神社は別かもしれませんが、氏子総代のアグリーメントで、「ああそうですねえ」と宮司さんと仲よく話し合って決めていきます。神に仕える人は、そのように和というものを大切にするのです。

それと天皇制は似ていて、国会が決めたことに対して天皇様は「そうですねえ」と同意される。それでうまく国がおさまっているわけですけれど、これは日本独自の形態です。

おそらく、堯や舜の時代もそうだったのではないかと思いますが、天皇様を中心とする日本の神道という祭式をベースにしないと理解できないかもしれません。

箱根、熱海、飛騨高山は日本の霊的磁場

ということで、熊野の時代から箱根の時代に移るにともない、仕組が関東に移っているわけですけれど、仕組はいまも厳然として生きています。

中央政府が関東にあり、仕組が関東で動いているので、仕組の神様は箱根権現の姿となって出ていらっしゃるのです。

ここまでの説明をお聞きになって、箱根の意義、箱根でセミナーを開催する理由がおわかりいただけたのではないでしょうか。世界救世教が箱根に聖地を置いているのも同じ理由だと思います。

ところで、崇教真光さんがもう一つ飛騨高山に世界本山を建てておりますが、それはなぜかといいますと、真光文明教団を設立した岡田光玉さんも、世界救世教を創設した岡田茂吉さんも大本教から出ております。

また、生長の家の谷口雅春さんも出口王仁三郎の側近として、「霊界物語』の筆録をしておりました。その谷口雅春さんが、あるとき王仁三郎に尋ねました。

「日本ではどこが一番古くて安全な神域といえますか」

うーん、そうだなあ……。

一つは、大本教の本部がある綾部。もう一つは熱海、箱根だ」

「えっ、あんな温泉街が神域なんですか」

「そうだ。それからもう一つは飛騨の高山。この三カ所が一番古い場所で、神縁ある場所なんだよ」

それを聞いていたので、皆さん、それぞれに本部を熱海につくったり、飛騨の高山につくったりしているわけですが、その話を耳にしたとき、「飛騨高山が地質が古く、神域であるなんて、本当かなあ」と私は疑問に感じました。

それであるとき、藤原肇さんという学者の方に尋ねてみたんです。

この方は地質構造学の権威で、山岳について八冊くらい本を書いていらっしゃるのですが、その藤原先生曰く、「ああ、そうですよ。京都の福知山とかあのあたりに一番古い古生代の地形があって、それから飛騨高山のアルプス、熱海、箱根のこのあたりにもありますよ。それは地質学的に間違いないです」

「えーっ、そうなんですか」

「はい、そうですよ」

「そんなに古い?」

「ええ、世界的にもものすごく古いです」と、こともなげにおっしゃる。

京都なんかに古生代の地形が残っていたのか。飛騨高山がそんなに古い地質だったのか。私は、王仁三郎氏一流のやり方で「こうだ!」といっているだけかと思ったのですが、藤原先生の話を耳にしてただただ驚くばかりでした。

聞けば、日本のアルプスは五億年くらいの土地らしいです。対して、カナディアンロッキーとかエベレストとか、ヨーロッパのアルプスは八千万年から古くても一億年までで、日本のアルプスのほうがよほど古いということでした。

まあ、古ければいいというものではありませんが、日本のアルプスや熱海、箱根あたりの土地が世界的にも最も古い地質であることは間違いないようです。ということは、大昔からの霊気が凝結している場所ではないかという気がしてなりません。

箱根の神は状況判断の神

歴史を見ても、小田原とか関東で戦があったときには、箱根神社を背にして戦をしたほうが必ず勝っています。つまり、箱根の神様は戦の神、勝負の神でもあるわけです。

西武グループの創始者、堤康次郎さんも箱根神社にお社を寄贈しています。奥宮と九頭龍神社のお社、あれは堤康次郎さんが建てたものなんです。

ちなみに、九頭龍神社のキングギドラのような九頭龍さんは、もとは人間に悪さをする毒龍でした。

ところが、箱根を開いた萬巻上人と七日七夜闘ったのち、「わかりました」と改心して以来、箱根神社の眷属として神様のために働くようになったんですけれど、この九頭龍さん、もとをただせば、じつは磐長姫なんです。

「古事記」では磐長姫はぶすだったとされていますから、容貌にあまり自信のない人が九頭龍神社にお参りすれば、「よしよし、大変だねえ…………」と、よろしく導いてもらえるかもしれません。

それはともかく、堤康次郎さんが九頭龍神社のお社を寄贈された背景には、いくつもの霊的な体験、つまり箱根の神様のお導き体験を何度も体験されたからではないかと思いますが、お社を寄贈されたということは、とりもなおさず箱根神社を背にしたということであります。

堤康次郎さん、「東京で、関東で仕事するなら箱根神社に必ずお参りしなさいよ」と、会う人ごとにいっていたそうです。それだけ箱根の神様の導きを体験されたはずです。

以前、箱根権現様がお出ましになったとき、直にお聞きしたことがあります。

「箱根権現とはいかなる神様ですか」

「状況判断の神なり」

状況判断・・・・・・進むべきか、退くべきか、はたまたじっとしているべきか。状況判断の叡智とか霊明は、政治・経済すべてにおいて重要なキーポイントを占めております。

状況判断を誤ったら失敗する。弱は弱、強は強なりに状況判断が適切だったら、いつも勝負に勝つ。状況判断が正確かどうか、それが勝敗の分かれ目になります。

それが箱根権現の功徳でありまして、時の神、木花開耶姫と趣を一にしながらも若干ニュアンスが違って、もっと現実界に即応しています。箱根神社の宮司さんにお話ししたら、

「おっしゃるとおりです。箱根権現の歴史に照らせば、まさに状況判断の神です。それにふさわしい歴史がもう何百年も続いています。

源頼朝公が箱根の神に助けられて鎌倉に幕府をつくったときからです」

別に箱根神社から賄賂をもらっているわけではありません。お札を横流ししているわけでもありません。本当に素晴らしいからありのままに申し上げているのです。

少しでも箱根神社を背にする人になって功徳を頂いてほしい、神縁ある人にそうなってほしいと思うから申し上げているのです。

箱根神社を背にした者が勝つ

箱根神社に行けば故事来歴が書いてあります。

源頼朝公は何度か殺されかけて命からがら逃げてきて、一心不乱に箱根権現にお祈りしたところ、危機一髪のところで助けられています。何度も助けられました。

そのとき死んでいたら頼朝公も天下人になれなかったはずです。

「箱根の山は天下の険」といいますが、源平合戦の勝負のとき、この箱根権現が頼朝を守っていました。

状況判断の神が守護していたわけです。義経には、鞍馬の天狗がついていて、戦は強かったものの、天下はとれませんでした。その義経が奉納したと伝わる、真っ白な象牙でできた笛が宝物殿に納められております。

今後は箱根神社だけでなく、いろいろな神社のことを説明していこうと思いますが、関東という磁場でどこが一番かということを考えた場合、ここをよく見ないといけません。

頼朝も義経も来ていますが、平清盛が箱根神社にお札を納めたという歴史はありません。やはり箱根を背にしたほうが勝っています。

平清盛、広島の幻の酒「誠鏡」を飲んだのかどうか知りませんが、厳島神社でイックシマれつつ海の中に入っていってしまいました。箱根権現を背にした源氏には勝てなかったわけです。

やはり、関東で政治や経済の仕事をする場合の箱根の神様のお働きは絶大で、頼朝公にもこれだけの力を与えています。

それから、曾我兄弟も箱根権現に祈願して仇討ちを成就していますね。箱根はまさに歴史が証明する生ける神であり、生ける神縁の場であるわけです。

このように、江戸を中心とした関東の歴史を見れば、箱根の神様の力のほどがうかがえると思いますが、箱根のもとは富士神界。箱根と富士は常に対をなしているわけです。

毎年夏になると、自民党の政治家たちはプリンス系のホテルに集まって、箱根会議を開催しています。

いわゆる箱根セミナーと呼ばれるものですけれど、私たちワールドメイトは自分蘇生党ということで、箱根権現を背にして自民党に負けないぐらい頑張っていきたいですね。

ここまで考えると、箱根にいるということ自体が尊く感じられるし、ホテルのドアの一つひとつが輝きを増して見えてきます。おトイレで流す水も箱根権現の岩清水に思えてきたりします。

それくらいありがたい場所なのですが、それを実感するためにはこれだけ説明が必要です。

世界からいろいろな賓客が来たとき、政府はこの箱根にお招きして一泊なり二泊なりしていきます。外国人には温泉が珍しいからそうするのかもしれませんが、知らず知らずのうちに箱根の神様に導かれているに違いありません。

箱根は東京から近い。一、二時間でやってこられます。そういう地理的な利便性もありますが、やはり箱根の神様の霊威。これを抜きに、自民党の議員をはじめ、たくさんの方が箱根にやってくる理由は考えにくいです。

関東総鎮守が箱根権現です。権現というのは「仮に現れた」という意味ですから、現実界に即応した働きがあります。

しかも、箱根が開かれたのは神仏習合の時代であったので、その分、高貴なだけではなくて現実界にも降りてきて働く。だからこそ、現実界に強いのです。

東京を中心とした現在の政治には、箱根の神様が大いに活躍されています。

政界の人も財界の人も、突っ込んだ話をするときには泊まりがけでやってきて、温泉に入って議論を交わす。そうやって関東の仕組をしているわけです。これはもう、現実界の形となって出ていることで、疑いようがありません。

ここまで説明して、はじめて富士と箱根と東京の関係がご理解いただけたのではないかと思いますが、それほどまでに深い意味と関係があるということ、これをはっきり認識していただきたいと思います。

認識して、意識して、確信するとそれだけ霊気が深く入ってくるし、霊的な意義をそれだけ強く顕現成就できます。

たとえ箱根という場所にいても、箱根の意義を認識することなくただ漠然としていたら、神霊界との交流は皆無に近い。神霊世界とのコネクションの強弱が違うわけです。

箱根の神気を永遠に保つ「おとしだま」

ともかく、今日は少しでも箱根の気を霊的に受けていただきたい。分なまでに箱根の霊気を受けて、お家に帰っていただきたい。

今回のセミナーを開催するに当たって私は、二泊三日で三十年分の修業をすると申しました。

それは、三十年分の神気を受けるという意味でもありますが、現実界に戻ると、奥さんとの葛藤の中で必死に原稿を書かなければならない作家先生もいらっしゃるでしょうし、子どもが走り回っているそばでデザインをしなければならないデザイナーさんもいらっしゃるでしょう。

そういう何かと葛藤の多い現実世界に戻らなければならないわけですから、三十年分の勉強ができ、三十年分の霊気を受けても、お家に帰ったら徐々に感覚が弱くなってしまいます。

そうならないよう、何とかこの素晴らしい箱根の神気を保存して、箱根権現にお参りしたような神気を届けられないか、おみやげにできないか、ということで考えたのが、皆さんのお手元にお配りした「おとしだま」袋です。

この中には、箱根の神様のご神気が入っております。

ここに何が描いてあるかといいますと、ワールドメイトの神霊集中マークと、ご神霊が落とされた御魂という意味で「おとしだま」と書いてあります。

それから「For Japanese spiritual people ・・・・ 日本の精神的霊的な人々のために」ということが英語で書いてあって、さらに、ミロクの世を建設する神人合一の時代がやってきたという意味を込めて、「Happy New Age ・・・・・・良き新しい時代」という英文が書いてあります。

今までは龍神時代であったけれど、これからは本当の神様の良き時代になるんだよ、ということです。

ワールドメイトが推薦しているのは、大変な世の中がくるから、何とか自分だけは免れようとして予言に耳を傾けるような人生観ではなく、素晴らしき良き時代をつくっていこうじゃないかという、正神界の神様の御心に基づいた積極的な生き方であって、そういう透徹した人生観に基づいて生きている人を神々は応援してくださいます。

この「おとしだま」袋の地には桜が描かれております。木花サクラ姫ならぬ木花開耶姫があって、富士山が描かれている。そして、そこにウサギがいます。羽根つきをしているウサギ。

今年は卯年なので、お正月に羽根つきをしているウサギが描かれております(編集部注 昭和六十二年当時)。

元旦に還った新しい心で、神様の仕組の糸で紡いだ着物を着て羽根をつく。ウサギは月の神様のお使いですから、みんなウサギのように神様のお使いになろう。神人合一のかけ橋を登りつめてゆこう……ということです。

神気が逃げないようにホチキスでとめてありますが、この中にお札が入っております。

このたびのセミナーに参加された皆さまの中には、遠路はるばる北海道や九州からいらっしゃった方も少なくありません。

あるいはまた、連休だから子どもとディズニーランドに行って、ミッキーマウスと遊ぼうかという気持ちを振り切って参加された方もいらっしゃるでしょう。

その熱いお心、セミナーで勉強したいというお心になんとか報いたいということで、神様にお願いして箱根権現の神気、功徳をここにキープしたわけです。神様に伺ったら、三十五年間、このなかに箱根権現の分魂を宿して、ずっと守ろう、とおっしゃっていました。

先ほど祝詞を上げている途中で、「お守りの中に神気を神気を……」と私が奏上していたのはそういう理由であります。

あのとき、おなかがガーッと炎のように熱くなった人、手を挙げてください。感じたでしょう。

皆さん、いまから順番にお渡ししますので、この「おとしだま」を取りにきてください。向こう三十五年の間、箱根権現の功徳がありますので、大切にお持ち帰りください。

わざわざいらっしゃったお気持ちにお応えするために、私たちもわざわざこれをつくったのですが、こうやってお互いの誠意と誠意が結びついて、はじめて良い神業ができるわけです。

ということで、富士と箱根と東京の話だけでこんなに時間がかかってしまいましたが、これで一応終わりにしたいと思います。

それでは、これにて終了いたします。(拍手)