技術の修得より、
心の修養をする時代は過ぎたのである。
今年こそは、おのおのが、
ずば抜けた技術を修得するプロセスの中で、
己れを磨き、己れに克ち、
これに報ゆる時である。
一芸は万芸に通ずるというが、
何が通ずるかといえば、向上意欲であり、
一心に集中することであり、
謙虚に学ぶ姿勢であり、
真剣に事に向かって、
無想無念になることである。
柔軟に自己を妙の中にもってゆく呼吸と
タイミングを体得することであり、
一切をその瞬間に、
忘れ切る心と気持ちと感性の霊徳の
切り替え方を学ぶことである。
自在性も、とらわれなきことも、
只今に生きることも、気をめぐらすことも、
全て一芸にずば抜けるプロセスの中で、
修得されるのである。
神の道に生きる学人よ。
すべからく中途半端でない一芸を体得成就せよ。
妙適、妙趣、妙境の体得成就は、
おのずからその中にあることを知れ。
昭和六十三年一月三日
