太陽系と月
太陽を中心に、その重力を受けて公転している惑星は九つ。
もちろん、地球もその一つであり、月は地球の衛星である。
これら太陽系の星には、ギリシャの神々の名前が与えられ、
それにふさわしい武勇や恋の伝説が語られた。
地球

まごころあれば道通り。
邪なれば、やがて行き詰まる。
不変の大道心中にあり。
これ地球の掟とし、天地の理とす。
道にかなえば善盛す。 かなわざれば悪哀す。
大地の女神ガイア
ギリシャの詩人ヘシオドスの「神統記」によれば、カオス(混沌)から最初に誕生したのが大地の女神ガイアである。
さらにこのとき、冥界タルタロス、夜の女神ニュクス、暗黒の神エレボスも一緒に生まれた。
まもなくガイアは、男の助けを借りることなく、眠りながら天空の神ウラノスを生み落とした。
その後、ガイアは息子であるウラノスと交わることにより、地上に緑豊かな山々や色鮮やかに咲き誇る花々、さらに数え切れないほどの魚や鳥や動物といった新たな生命を誕生させた。
大地を流れる川や湖、さらに青い大海原は、ウラノスが降らせた雨によってできた。美しい生命にあふれる神秘の惑星・地球は、このようにしてつくられたのである。
最高神ゼウスの誕生にも、ガイアは深く関わっている。
天界に暴君として君臨したクロノスが、自分の子供を次々に飲み込んだのを知ったガイアは、末子ゼウスを守るために、ゼウスの母レアと協力し、大きな石を赤ん坊の替わりに飲み込ませたのである。
やがてクレタ島の洞窟で育てられたゼウスは、父を倒し、ギリシャの神々の王として君臨することになった。
月

金運・人との出会い・恋愛・トラブル解消、
家探し、勝負など、
人のツキを左右する。
心の安らぎが得られる。
失恋の傷心を癒してくれる。
文章が上手になる。
内臓を強化する働きがあるので、
胃腸をはじめ内臓全般の働きを改善してくれる。
月は、文字通り「ツキ」と「運」の波動を発している星。
狩猟の女神アルテミス
月の女神アルテミスは、芸術の神アポロンの双子の姉である。彼女は処女の女神としても知られ、他に狩猟と弓術をつかさどった。
いつも弓矢を持ち、ニンフ(妖精)に囲まれ、自由闊達に野山を駆け巡った。野生の動物や子供、弱者たちの守護神でもあった。
しかし、少女のような純粋さゆえ異常なまでに潔癖であり、しばしば冷酷な一面も見せた。
彼女が池や川で水浴をしているのをのぞき見した男たちはひどい報復を受け、その罰とし女に変身させられた者もいる。
中でも悲惨な処罰を受けたのは、優れた狩人だったアクタイオンである。彼は狩りの途中で、たまたま水浴中のアルテミスの裸身を見てしまった。
彼女はこの偶然を許さなかった。アクタイオンはアポロンの孫であり、人間の世界で言えば、アルテミスは大伯母に当たる。
にもかかわらず、アルテミスはアクタイオンを鹿に変えてしまったのである。
彼の五十匹の猟犬たちは、その鹿がアクタイオンであることを知らないまま飛び掛かり、主人を貪り食ってしまった。
太陽

十年単位で大きな物事が実を結び、この世での栄光と名誉・繁栄・名声を 得ることができるように導いてくれる星。 いかなるときにも、明るく情熱的に物事を進めていく力が備わる。
大空を駆った太陽神ヘリオス
ギリシャ神話における太陽の神は、ヘリオスの名で知られる。
ヘリオスは毎日、四頭立ての火の車を駆って現れた。
曙の女神エオスに先導され、東の宮殿から天空に駆け上がり、大空を横切って西の宮殿へと入るのが日課だった。
そして夜のうちに、大河オケアノスに浮かぶ巨大な黄金の船に火の車も馬も乗せ、東の宮殿へと帰ってきた。
ある日、彼は愛する息子パエトンの願いを聞いて、火の車を貸すことにした。しかし、この若者は火の車を自在に操るにはあまりに未熟だった。
火の車はひどく高く舞い上がったかと思えば、地上すれすれにまで落下してきた。
火の車が高く上がると、地上は猛烈な寒波に襲われ凍りつき、火の車が落ちてきたところは、大地の動物も植物も黒焦げに焼けた。
この様子を見て怒ったのは、神々のゼウスである。ゼウスは稲妻を放ち、パエトンを撃ち落としてしまった。
パエトンが落ちた川のほとりには、やがてポプラの木が育った。これはパエトンの死を悲しんだ姉たちの涙によるものだと言われる。
水星

三歳から五歳前後の子供のような
霊的波動を持つ星。
物事を深く探求し、
自分の心や魂を生き生きとさせる力が備わる。
経済的な知恵や、商売のやる気を与えてくれる。
バストを大きくする作用もある。
狩人の守護神ヘルメス
水星は英語名マーキュリーで知られるが、これはギリシャ神話におけるへルメスのことだ。
ヘルメスは最高神ゼウスの末っ子であり、双肩で天空を支える巨神アトラスの長女マイアが母である。
韋駄天の彼は、神々の伝令者として活躍し、通行人や旅人に幸運をもたらす守護神として崇められた。
ヘルメスは早熟で、狡知に長けたことでも知られる。何しろ、生まれたその日に外へ出て、兄アポロンの牛を何頭も盗んでいるのだ。
しかも、牛は尻尾を引っ張って後ろ向きに歩かせ、自分の足には草で編んだ草履をつけ、足跡を混乱させて跡をつけさせないようにした。
途中で老人に見つかるとこれを巧みに買収し、牛を探しにきたアボロンの前では、何食わぬ顔で揺り籠に入って寝ていたという。
しかし、すべてお見通しのゼウスは、牛をアポロンに返すように命令した。
牛の隠し場所へアポロンを案内す途中のことだ。ヘルメスは竪琴を弾き始めた。
竪琴は、彼が亀の甲羅に牛の腸を張って考案したものだった。
その音色にすっかり魅せられたアポロンは、牛と竪琴を交換することを提案した。
彼は、ヘルメスの機転のきく頭脳と音楽の才能を認めたのである。これを機に二人は親しくなり、アポロンはこの竪琴を生涯手放さなかった。
金星

人としての内面的完成をつかさどる。
宗教・科学・芸術に関する願い事を叶えてくれる。
美男・美女との出会いをつくる。
芸術的完成、学問の完成、悟りの成就、宗教的人格の完成といった功徳を与えてくれる。
こういった要素を成就するために、さまざまな人物と出会い、環境が変化していく。
人は十八歳から二十五歳頃まで(女性は十七歳頃から)、金星の影響を強く受け、一生の進路がだいたい決まる。 また、金星には仏教でいう「胎蔵界」がある。
お釈迦様に「天上天下唯我独尊」の悟りを与えた星であり、モーゼのエジプト脱出を導いたり、ユダヤの預言者たちを導いた星でもある。
モーゼの奇跡の約七割は、金星のミラクルパワーによるもの。
愛と美の女神アフロディーテ
金星は、愛と美の女神アフロディーテ(英語名ヴィーナス)の星である。
その抜きん出た美貌は神々の注目を集め、最高神ゼウスは、息子のヘファイトスが雷を発明した褒美として、アフロディーテを妻に与えた。醜い男のヘファイトスにとっては、まさに最高の贈り物だった。
アフロディーテはあるとき、ヘラ、アテナを含む三女神で美を競い合った。ゼウスの命を受けたヘルメスは、トロイアの美しい人間の王子パリスに美の判定を委ね、彼に黄金の林檎を手渡して言った。
「君が一番美しいと思う女神に林檎を渡しなさい」
すると女神たちは、パリスを誘惑しようとそれぞれの方法で迫った。
ヘラは「世界の富と権力を与える」と言い、アテナは「あらゆる戦闘における勝利と名声」を約束した。
アフロディーテは婉然と微笑んで言った。「あなたはその美しさにふさわしい女と一緒になるべきです。
私が、人間の世界で最も美しい女性と、毎日一緒に暮らせるようにしてあげましょう」はたして、彼が黄金の林檎を渡した相手はアフロディーテだった。
こうしてアフロディーテは、世界で最も美しい女神の称号を手に入れたのである。
火星

二歳から三歳までの、疲れを知らない子供の霊的波動を持つ星。
剣の意志力、ここ一番の情熱や闘魂、 貫いていくファイティング・スピリッツ、 積極的プラス要素を授けてくれる星。
流血を好んだ戦闘の神アレス
火星には戦闘の神アレス (英語名マ ズ)の名が冠せられている。
アレスは酒が好きな、気性の激しい神である。
妻はとらず、多くの女性と関係したが、とくに愛と美の女神アフロディーテとの密通が有名だ。
すでに鍛冶の神へファイトスと結婚していたアフロディーテだったが、アレスとアフロディーテはヘファイトスの目を盗んで幾度も情事を重ねた。
やがて二人の関係を知ったヘファイトスは、鍛冶の仕事場で、透明で絶対に破れることのない網を作り、密かに寝室に仕掛けた。彼が出掛けるふりを
すると、アフロディーテはすぐにアレスを呼んだ。二人が裸のまま網にかかったのはそれから間もなくのことだ。ヘファイトスは神々を呼び集め、彼らの醜態を見世物にした。
結局、ポセイドンが仲介に入り、アレスがヘファイトスに罰金を払い、事件は落着した。
ところで、アレスにとっては、戦闘における正義はまるで問題ではなかった。
ひたすら戦闘と流血を好み、戦場にはいつも二人の息子を連れて現れた。
一人はデイモス(危惧)、もう一人はポボス(恐怖)だ。火星の二つの衛星には、彼らの名前がつけられている。
木星

地上の願い事が聞き入れられ、結実成就する星。
思春期の明るくのびのびとした、みずみずしい発展の気運に満ちている。
発展運・財徳運の向上エネルギー、若々しさや家内安全、楽しくて豊かな活発さがいただける。
(経営上の)軍資金や一般的な金運の弱い人に、財運豊かな人とのご縁を深めるという縁を結んでくれる。
ディズニーランドの原型がある星でもある。
仏教でいう「金剛界」がある。
ギリシャ神話の最高神ゼウス
地球の千三百倍以上の大きさがある 木星には、ギリシャの神々の最高の支 配者 大神ゼウス(英語名ジュピター) の名が付けられている。
ギリシャ神話に登場するほとんどの神はゼウスの兄弟姉妹、親戚であり、ギリシャ神話は彼を中心にした物語と言っていい。
彼の父はクロノスだ。クロノスは自分に刃向かうことを恐れ、生まれてき自分の子供はすべて飲み込んでしまっていた。
この凶悪な父から逃れ、母親のレアがクレタ島の洞窟で育てたのがゼウスである。レアはガイアと協力し、クロノスには、産着を着せた大石生まれたばかりの赤ん坊だと偽り、飲み込ませた。
成長したゼウスは、専横を極めた父を倒すことを決意した。
まず、最初の妻メティスの力を借りて、父に催吐薬を飲ませ、それまでに飲み込んでいた五人の兄姉を吐き出させた。
さらに祖母である大地の女神ガイアの忠告に従い、クロノスによって冥界タルタロスに投げ込まれた伯父たちを救出して味方につけた。
それは三人の百腕巨人と三人の一眼巨人であり、この伯父たちの強力な助けもあって、ゼウス側は十年に及ぶ戦いに勝利した。
ゼウスは天を支配する王となるとともに、神々の最高権力者と認められた。
彼こそが父に反乱を起こした張本人であり、兄姉を父の腹の中から助け出したからである。
土星

世紀末を乗り越えられるよう、逞しさを授けてくれる。
この星に守られている人は、「その人に仇なそうとする者を戒めて、本人を守る」という最強の守護をいただける。
自分の子供を厳しく、辛苦に負けない立派な人に育てたい場合は、この星の霊的エネルギーを受けると、忍耐と辛抱する力をつけてくれる。
また、善悪基準の強烈なパワーがある。
時の神クロノス
土星に冠せられたクロノス(英語名サターン)は、ギリシャの最高神ゼウス父の名である。
時間や季節をつかさどる時の神としても知られ、精密な機械式時計のことをいうクロノメーターはクロノスの名からとったものだ。
クロノスは、大地の女神ガイアと天空の神ウラノスの息子として生まれた。
父ウラノスは、生まれてくる子供を次々にタルタロス(地獄)に投げ込み、怒ったガイアは末っ子のクロノスに父を襲うように仕向けた。
彼に与えられたのは金剛の鎌だった。彼はこの鎌で父ウラノスの男根を切断し、海へと投げ込んだ。
さて、父親から権力を奪ったクロノスは、父以上の凶暴さを見せた。冥界タルタロスから救出されてきた兄たちを、再びタルタロスに落としたのである。だが、クロノスは父母の予言が頭から離れなかった。
「お前の息子の一人が、お前から支配者の地位を奪うだろう」
そこで彼は、妻であるレアとの間に生まれてきた子供を全員飲み込んだ。しかし、予言通り、やがてクロノスはただ一人難を逃れた末っ子のゼウスにその座を追われるのだった。
太陽系の第7惑星。木星、土星などと同じく巨大なガス惑星であり、 1731年にイギリスのハーシェルが発見。地球から観測された衛星では5個だったが、1986年、ボイジャー2号により新たに10個の衛星が発見された。
質量は地球の約15倍。公転周期約84年。自転周期約18時間。直径約5万1120km。地球からの平均距離 27 2139km。
天王星

身に降りかかる災いを転じ、吉に変えてくれる星。
災い転じて福となし
先々、我が身にふりかかる災禍厄難を
許される限りの小難に振り替え
あるいは徳積みや精進努力といった
前向きな修業
つまり自分自身の御魂磨きに組み替えてくれる。
小我を捨てて大我に生きんとし
天下国家のために一生涯を捧げてきた御魂が集う星
天王星に未来の秘密が隠されている
天空の神ウラノス
一七八一年に発見された天王星には、天空の神ウラノス(英語名ユーラナス)の名が冠せられている。
ウラノスは、母である大地の女神がイアと交わり、地上にさまざまな動物や植物を誕生させた。
彼が降らせたたくさんの雨が大地の窪みに水を湛え、湖となり、海が生まれた。天地の秩序を創造したのである。
さらにウラノスとガイアが交わって生まれたのが、一眼巨人や百腕巨人などの巨神(ティタン)族である。
しかし、ウラノスは自分の権力が奪れるのを恐れ、残酷にも息子たちを地中の奥深くにある冥界タルタロスに突き落とした。そんな彼も、末っ子のクロノスに倒された。金剛の鎌でその男根を切り取られたのである。
したたり落ちる血から、復讐の女神エリニョスや、腰から下が蛇の姿をし巨人ギガス、トネリコの木の精メリアスが生まれた。
また、海に投げられた男根は波間を漂い、やがてキュテラ島に流れ着いた。そして男根のまわりに集まる泡から、愛と美の女神アフロディーテ(ギリシャ語で泡はアプロスという)が生まれた。
海王星

神秘的な霊智、霊力が備わる。
夢やロマンが授かり、作家や霊能者、芸術家、映画監督やタレントなどに 霊的パワーを与える星。
ギャグの星でもある。
海洋の神ポセイドン
海王星が発見されたのは一八四六年。海洋神ポセイドン(英語名ネプチューン)の名が採用された。
ポセイドンの父は暴君クロノスである。その父を、ゼウス、ハデスを加え三兄弟で追放した後、世界の支配権は空と海と冥府の三つに分割された。
そして、くじ引きの結果、ポセイドンは海を統治することになった。偉大な神の一人に数えられるが、不機嫌なことが多く、破壊力を持った危険な神としても認識されている。
彼は地上の土地をしばしば自分のものであると主張した。だが、たいていは争いに敗れている。アテナイを巡り、叡知と戦術の女神アテナと争ったときがそうだ。ポセイドンは三叉の戟
を投げ込み、塩水の泉をつくった。一方、アテナはそのほとりにオリーブの木を生やした。所有権は神々の法廷の場で決せられることになった。
ゼウスを除くすべての男の神々はポセイドンに投票し、女の神々は全員アテナに味方した。結果は一票差でアテナの所有権の正当性が確定。
「アテナの贈り物のほうがアテナイの人々の役に立つ」というのがその理由だった。
アテナイの女性がその後ずっと選挙権を持たなかったのは、ポセイドンに気兼ねしたからだとも言われる。
冥王星

絶望で志が萎えても、それを蘇らせる力を与えてくれる星。
アンティークロマンや心の平安、心静かに真理を探究したり、
古典学問に打ち込むという霊的エネルギーに満ちている。
還暦を過ぎると、冥王星の影響下に入る。
有意義な老後を過ごすための
霊的エネルギーを授けてくれる。
人生の生き様、心の持ち方、満足度といった、
その人の本心、良心に照らし合わせた、
人生の審判を下す星でもある。
白雪姫と七人の小人の森や、
「ネバーエンディング・ストーリー」の舞台のような、
メルヘンの世界が広がっている星でもある。
冥界の支配者ハデス
太陽系十一個の惑星にあって、太陽から最も遠いのが冥王星だ。発見されたのも最も遅く、一九三〇年。
地球より小さく、光も弱いため、望遠鏡を使っても数百万の星の中から冥王星を見つけ出すのはなかなか難しい。
もともと太陽系の星ではなく、外からやってきて、太陽の引力により引き込まれたという説もある。その実態もほとんどわかっていない。
こんな未知の惑星につけられた名前がハデス(英語名ブルトー)というのはいかにも象徴的だ。というのも、ハデスは死者の神、あるいは冥界の支配者の名だからである。
ハデスは兄弟のゼウス、ポセイドンとともに暴君である父クロノスを倒した。
そして、三兄弟が世界を分け合ったとき、ゼウスは天空を、ポセイドンは海を支配し、彼は冥界を支配することになった。
陰湿な性格の彼は異論をはさもうともせず、以来、ここをすみかとし、離れることはなかった。
ギリシャ神話に登場する機会も少ない。わずかにベルセポネを見初め、誘拐したこと(ページ乙女座の項参照)で知られる程度である。
